大槻ケンヂ「ロッキン・ホース・バレリーナ (ダ・ヴィンチブックス)」

ということで、届きました。
夢中で読みふけってしまったよ。


なぜこの本を読んだかという事の経緯を。
いつだっけかな、二週間くらい前かな。
俺が筋肉少女帯の「僕の歌を総て君にやる」という曲に感動した、という話を彼女としたわけですよ。
そしたらまぁオーケンの話になってね。
前も少しオーケンの話はしたんだけど。
オーケンは今ゴスロリ好き」という話を聞いたんですよ。
物書きとして、ミュージシャンとしてのオーケンが好きだったけどそれは知らなかったわけですよ。
んで「ロッキン・ホース・バレリーナ (ダ・ヴィンチブックス)」を読むと良いよ〜、と言われてお互い読んだと。
そーいう経緯です。


さて。
経緯はまぁこのへんにして「ロッキン・ホース・バレリーナ (ダ・ヴィンチブックス)」の話を。
大きな話自体はすげぇ良くある話だし、王道なのだ。
展開も読めた。
ただ、この話を特異なものにしているのはやっぱり準主人公の七曲町子の存在が大きい。
ただのゴスロリ少女じゃねぇんだな。
何とは言わないけどもうね、半端無いものを背負っている。
そして主人公の耕助もまた、ただのバカに見えて半端無いんだな。
何より大変魅力的なんすよ。
…ただしそれはまぁ、ゴスロリ(+身体改造)が好きな人限定*1だけども。


やっぱりね、この二人の恋(?)がすげぇ良かった。
決して良い恋だとは言えないんだけど。
純愛。すごく不器用で、けっして綺麗な二人が綺麗に惹かれ合う綺麗な話じゃないんだけど。
俺って不器用な純愛が大好きなんだよなぁ。
(だから俺は山本直樹が好きなんだろうけど)
耕助の場合はバカだから不器用で、町子の場合はどうしようもない理由から不器用で。
二人して、愛を知らなかったんだよな。


そして。
ただの青春小説じゃないのはやっぱり、ずっと青春ノイローゼ*2な37歳、得山の存在が大きい。
I wanna Still Rockin' while my life. 一生ロックし続けてぇ、だけど借金ばっかだ…という憎めないロックオヤジ。
このオヤジの葛藤が良かったなぁ。
魅力的なゴスロリ少女、結構巧いバンド(でもダメ人間×3)、ダメージャー。
やっぱりそういう、変なキャラクターの青春だから共感できたのかも。


まぁ、万人に勧められる内容かな。割と。逆に「青春小説なんか大嫌いだ!!」って言うような人間にね。
但し非常にナマい性描写があるので、良い子は見ちゃダメよ。
ただ、セックスに対していろいろ悩みがある人は読むべき。
…うーん、でも彼女居ない人間が読むのは辛いかもねぇ。


さてと。
最後にBy the way,あまり関係ない話。
…俺の中で町子のCVは新谷真弓だった。うん。それ以外考えられないわ。

ああっ俺はなんてバカなのだろう

大切なことを書き忘れていた。
結構前半はギャグが多いのですが、私のツボ突きまくりでした。特に第一章はやべぇっすよ。

*1:世の中には未だに偏見というものが存在しているからねぇ…。ケッ、俺からしてみたら巣鴨のジジババどもの方がFuckingな格好してると思うけどな。

*2:注:みうらじゅんの造語です