シン・クライアントについて考えてみる

いやはや、さーてオナニーでもして寝るべーと思っている時に限って面白いニュースってのは飛び込んでくるものでして。
日立、社内業務でパソコン利用全廃・専用端末で情報漏えい防止

昔っからこの手の端末はありました。
古くはX端末(X Window Systemのサーバとしてだけ使えるタイプのもの)や、最近だとシン・クライアント(Thin Client)と呼ばれるモノですね。
でもいまいち普及してこなかった。
というか一般にそういう製品があること自体知られていなかった。

そういった状況のなかでこのニュースです。
今回の日立の決断はかなり思いきったものだと思います。
現在、日立にそういった製品はないため新規に開発してまで、シン・クライアントに賭ける日立の決断は情報社会を担う者の一人として素直に賞賛できます。

日立ほどの大企業、それも技術系ともなればしっかりとしたユーザ教育を含めたクライアント管理ができそうなもの、というかできなくては困ります。
それでも人為的ミスは防ぎようがないですし、何よりも「つい出来心で」ということもあります。
また下請けまでは教育できないのもまた事実です。
(実際、うちのサイトにも東芝のProxyから金玉野郎がアクセスしてきました)

シン・クライアントの利点を挙げてみましょう。
まずは何より、それ自体が何のドライブも持たないためかなりのセキュリティ向上が見込めます。
いわゆるAT互換機でもリムーバブルドライブをBIOSで殺すことはできますが、それにしたってHDDを取り払うことはできませんから。
そして処理能力の最適な分配もできます。
クライアント自体の性能は低くて済みますからね。

じゃあ現在のシン・クライアントの欠点。
まず、機能の割に高価というのが挙げられます。
スタンドアローンで動けるAT互換機よりも大概、高価です。
その割高感から避けられがちなのは確かです。
(かつてのX端末もそれであまり普及しなかった)
更に、中央に位置するサーバには当然高い処理能力が要求されます。

それと、操作がなんだかんだ言って「パーソナル・コンピュータ」よりも難しい。
本当に基幹業務にしか使わないなら話は別ですが、実際は文章作成であるとかの雑多な作業をこなす必用がある。
そういった場合に大概Un*xベースのシン・クライアントはやはり使いづらいのです。

致命的とも言えるのが、モバイル端末が皆無なこと。
営業先でデータを提示できなくてはお話になりません。
またネットワークに接続するため、もし端末が出来たとしても高速なインフラが出先になくてはどうしようもない。
(シン・クライアントは処理内容によって、サーバの処理能力を借りることもできるため)

日立はその欠点を解消できない限り、思いきったシン・クライアントの採用はできないでしょう。
そこまで含めての今回の決断だとは思いますが。

それでは、シン・クライアントの導入が役に立つと思われるのってどんな職種でしょう。
私はちょっと意外な意見を挙げてみようと思います。

そう、いわゆる技術系ではない、ふつーの会社。
実はこれこそシン・クライアントが向いているのではないだろうかと私は思うのです。

ふつーの会社にはまず、偏見かもしれませんがまともなシステム管理者がいません。
基幹システムの開発は全部下請けに任せて、なにかトラブルがあったらとりあえず呼ぶ。
そんな会社が普通でしょう。

そんな会社ではちょっと勉強した人なら信じられないようなトラブルが発生します。
エロいおっさん(とは限らないが)が仕事サボってエロサイトを見たためスパイウエアの嵐だったりとか。
バカなガキがWinnyやってキンタマウイルスに感染するとかね。
そして往々にして、ファイルはローカルに保存するためいざシステムが飛んだとなると大変なことに。
もちろんバックアップなんて取っちゃあいない。
まさに情報絵図。

さっき挙げたトラブルのたいていはまぁ、ゲイツちゃんOSが原因なのですがね。
もちろんOSに関係なく発生するトラブルもありますが。

ゲイツちゃんOSってやつはとにかく管理が大変です。
全部のPCにWindows Updateをかけたりとか、アンチウイルスソフトウエアの情報を更新したりとか。
そういう全部のHDDにアクセスする管理業務が発生する。
これこそがまず大いなる時間の無駄。
(前述の二つすらやっていない会社だったら、見切りをつけた方が無難です)

じゃあ、そんな情報地獄絵図な会社にシン・クライアントを導入したらどうなるか。
前述の問題はすっきり解消できるのですね。

まずは何よりゲイツOSと決別することによるメリット。
とにかくゲイツOSに起因するトラブルは多い多い。
まぁ単純な理由でOpen Source系のHacker/Clackerはゲイツが大嫌いだからなのですが。
そして、そもそもローカルなドライブが一切なく、すべてのファイルがネットワーク上のサーバにあるということ。
サーバであればすべてのデータをバックアップするのもらくちんです。
各自でやらなくても、全部勝手にやってくれますから。

世の中には「Windows以外禁止」なんて林檎使い・ペンギン飼い殺しの会社もあると聞きます。
悪いけれどもそれは笑止千万な話だけれどもね。
俺が就職した会社がそんな会社だったら、直訴してだめだったらさっさと辞めます。
たとえどんな大企業でもね。
気色悪いったらありゃしない。

ただし、現状のシン・クライアントを中心としたシステムをそういった一般企業が採用するのはまず無理でしょう。
何よりいくらなんでもUn*x系OSの操作は難し過ぎる。
ワード・プロセッサー専用機すらまともに使えない化石がいるような会社でそれは無茶ってものです。
(OpenOffice.orgくらいならすぐ使えると思うんだけどなぁ)
日立が本気で売り込んでくるとしたら、既存のUn*x系OSのファッキンなユーザインタフェースをなんとかしてくれるものと期待しています。

さてと。
日立がここまで本気ならば、同業他社も黙っては居ないでしょう。
こういう動きを作った日立に乾杯。

…と、まだ何も始まっていない段階でこんなことを書いてみる。
さーてオナニーして寝ようっと。
(最後の最後でおもいっきり下品だ、俺!)