古屋兎丸「ハピネス (IKKI COMICS)」

古屋兎丸の作品は大好きで、「π」以外全て持ってる。(「π」も途中まで集めた)
待望の新刊ということですごく期待して読んだ。


やっぱり良いです。
しかし相変わらず、女子高生好きだなぁー。


何というか、大変説明し辛い短編集。
あとがきにある通り、喪失感がテーマなのですが。
しあわせを掴みかけたところでもろくも崩れる、ってことか…。
あとこの漫画を面白いと言えるには感性が要るなぁ、と。
ジャンプ系能力インフレバトル漫画が好きな方には間違ってもお勧めできません。
せつなさを求める人には良いかも。


しかし、何というか、やっぱり凄いです。
こうもいろいろなものが描けるとはね…。
(ギャグ連作はいまいちでしたが)
そのイマジネーションがどこから来るのか、解らないなぁ。
個人的には「Marieの奏でる音楽」が大好きなので、あんな感じとは言わないけどシリアスな連作を見てみたいなぁ。


あと、いわゆる思春期の痛さというやつもうまく描いてるなぁと。
痛いよね。誰だって。
特に表題作「ハピネス」なんか。
急に女とうまくいった主人公もそうだし、ルカだって痛ぇヴィジュアルファンだ。
だけどその痛さが心地よいというか、解るというか。
説明しづらいんだよなぁー本当に。


敢えて推薦文を書くとすれば「非日常的な日常が好きな人におすすめ」か。
ありそうでない、なさそうである、そんなはざまの話。
良かったです。


最後にどーでもいいこと。
「ハピネス」の主人公と俺、同姓同名。びびった。
「なべ」と「や」が違うけれども。漫画に自分の名前が出てくると驚くねぇ。