TRONという思想・そしてTRONのこれから

なんか、寝ようと思ったらふとアイデアが浮かんだもので。
前も考えたような気がするけれども…。


坂村健さんも、TRONもすごくリスペクトしているのだけれど。
生憎BTRON超漢字、B-right/V は使ったことないです。
ただ彼の著書は読みました。
TRONプロジェクト真っ盛りの頃の。
実際に涙はしなかったけれども涙なしには読めないよ、本当に…。


BTRONの実身/仮身という思想は素晴らしい。
オペレーティングシステム自体がハイパーテキストを実装している、というかオペレーションシステム自体がハイパーテキストというか、なんというか。
ティム・バーナーズ・リーが提唱したWWWよりもAlan Kayが提唱したダイナブック(東芝のノートじゃないよ)に近い。
もっとも理想的というか、大変慣れれば使いやすいシステムだということも知っている。


ただ、何より問題なのは最早(ふつうの)ファイルシステムGUIアプリケーションというものがあまりにも普及しすぎた、というのがある。
そしてたちの悪いことに、BTRONUNIX風のコマンドラインがあって(内部的に見えている)ファイルシステムを備えている。
んでもって、BTRONにはファイルマネージャ的なものはないの。GUIの。
というかそもそもアプリケーションソフトという概念がない。


まぁ、一言で言ってしまうと「Macintoshの勝利」なの。
一見めちゃくちゃに見えるかもしれないけれども。
UNIX/DOSディレクトリという概念はあったにしても、目に見えるかたちで「フォルダ」を作ったのはMacintoshが最初。
そして現在の(ほぼすべての)ファイルマネージャと呼ばれているものの原点はFinder、なわけですよ。


俺もMacintoshユーザで、メインマシンはもうここ5年くらいずっとMacなんだけれども。
やっぱり、ファイルという形がある方がわかりやすいというか。
そしてHackerにとってもやはりやりやすい。


んで、BTRONが抱えているもう一つの問題。
慢性的なドライバ不足。
元々が軽いOSなのであまりグラフィックアクセレータの手を借りる必要がない、というかそもそもアクセスすらしづらいんだけれども。
加えてね。坂村健さんは今ユビキタスコンピューティングに執心しているけれども。
BTRONでまともに無線LANが使えないなら相反してるやん、って言う。


じゃあどーすればいいか。
Linuxというか、PC-UNIX上の、X Window SystemのWindow Managerの一種となればいいと思うのです。
そもそもTRONは「仕様」であって、BTRON(超漢字)はその一つの「実装」でしかない。
別にTRON仕様に準拠している必要はないんです。
TRONのシステムを受け継いだハイパーテキスト・システムを実現するためにLinux(PC-UNIX)に乗っかる。
Window Manager(というか、ひとつのDesktop Enviormentとして)としてね。
Linux(PC-UNIX)なら豊富でないにしてもドライバはそろっています。
また動作環境もPC/ATに限らない。


加えてBTRONのキモである実身/仮身というシステム。
これに関してはライブラリを用意するしかない。
Gnomeにおけるgtk+、Qt的な。
もう「これに準拠して新しくアプリケーションを作ってくれー」としか言いようがないけれども。
GUIライブラリとしてはもうgtk+を使うしかないかな。
とにかく、実身/仮身とまではいかなくても、各ファイル間でのハイパーテキスト環境は作りたい。
(というか、ハイパーテキスト的な)
Windows(というかOffice)に於けるOLEみたいな中途半端なものじゃなくてね。


あくまでアプリケーションという概念はあった方が良い。
というかすでにアプリケーションという概念が染みついているからね。
ファイルという概念もあった方が良い。
その上でのBTRONの実身/仮身のようなハイパーテキスト環境を構築できはしないか、そんな話をしているわけですよ私は。


T-Kernel/T-Engineっていうのはまた方向性が違うからね…。
あれはDesktop Enviormentのためじゃなく組み込みシステムのためだから。


もし作ると仮定して。
作るとしたらやっぱり一から書くことになるんですかね、Window Manager。
そしてその上でハイパーテキスト環境を構築すると。
Web/HTML は現在もっとも普及しているハイパーテキストマークアップランゲージなのですが(そのままやん)そもそも言語を意識しない、っていうね。
BTRONの場合User Sideで作られたもの。
HTMLはティム・バーナーズ・リーというHackerがテメェのために作ったシステム。
(まさかここまで大きくなるとは思ってなかっただろうな。だいたい彼はもともとコンピュータ畑の人間じゃなかったわけだし)


じゃあHTMLとの整合性でいくと。
いちばん良いのはインタラクティブに、WYSYWIG環境で自分のサイトを編集できること。
インタラクティブにっていうのはまるでローカルに書くかのようにね。
あー、そういうやり方にはX Window Systemは実に向いている。
ほとんどメリットねぇやんーっておもっていたUNIXの各種サーバ/クライアントシステムが生きてくるね。
どこでもテメェの環境、っていうある意味ユビキタスなものだからね、あれも。
なるほどBTRONUNIX風なのも納得かな、と。


まぁつまりまとめると。
もうTRONは完全にエンベディッドシステムに特化しちゃう。
フィンランド人の作ったものだー、別に国辱ってほどの物じゃない。
「OS」としてのTRONを捨てて、Linuxの上に乗っかってみたらどうかと。


あーーーーー。
これって本当に俺の理想なんだけども。
(OpenTRON、とでも言うか)
これを実際にやるとしたらマジで東大の大学院目指さないとな…。
だとすると純粋にプログラミング、情報工学となってくる。
うーん。
なんかまた、ややっこしくなってきたなあ、大学選び。


おっとこんな時間だ。
また眠剤飲んで(アモバン半錠)寝ます。